研究課題/領域番号 |
20K17118
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小西 正三 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (20795827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 歩容 / 足圧 / 歩行 / 加速度 |
研究実績の概要 |
心ポンプ機能が低下する心不全は、運動耐容能の低下をきたす疾患であり、亜最大運動耐容能である6分間歩行距離は重要な重症度、予後予測尺度である。しかし、心不全は循環不全を介して骨格筋萎縮、低栄養などの広範な身体的変化および心理 的変化をもたらし、歩行距離のみならず歩き方(=「歩容」)にも影響を与えうると考えられる。これまで、心不全分野において「歩容」の定量的評価やその臨床的意義についての検討はほとんど知られていない。歩容の評価は、ビデオカメラによる動画記録をもとにした研究がさかんに行なわれている。本研究では、場所を選ばずに、非侵襲的に測定でき、また、プライバシー問題の懸念が小さい点を重視し、足底圧や下肢加速度・傾斜度に注目した。これらの測定データを用いて、解釈できる指標を作成し、心不全における歩容の臨床的意義を確立することを主な目的としている。研究初年度は、新規に上市されたデバイスも含めて改めて調査を行い、各種測定デバイスを比較、再考した上で、研究用の測定機器の選定を行った。測定した足圧や下肢加速度の解析方法については、現在のところ標準的な方法があまり知られていない。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、患者でのデータ取得が行いにくい状況となっていることから、少数例の健常者データを用いて、足圧単独、加速度単独、あるいは両者を連携させた解析など、多面的に解析手段の検討の実施を予定しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、接触を減らす必要があることから、人を対象とする研究の実施が困難な状況となった。特に、本研究の対象となる心不全患者は新型コロナウイルス感染のハイリスク患者であることから、より強い影響を受け、研究の進捗にはやや遅れが見られている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の動向を注視しながら、心不全患者でのデータ取得に先行して、まず、健常人でのデータ取得を優先して行うことで、研究の遂行をして行く予定である。他研究との連携も含めて、被験者の確保に注力したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、出席を予定していた学会等が中止や延期となったため。また、同感染症の拡大により、被検者のリクルートにやや遅れが生じているため。次年度は、同感染症の動向に注視しながら、健常者データの取得を先行することなどにより、研究を遂行していきたい。
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