心不全は心ポンプ機能の低下を主とする病態である。運動耐容能の低下をもたらすことが広く知られており、単位時間あたりの歩行距離が低下する。しかしながら、その歩き方(歩容)については知見が少ない。本研究では、新たな心不全指標の開発にむけて健康人と心不全患者における歩容の異同について検討を実施した。健康人との比較において、心不全患者はストライド速度、ストライド長、歩行周期やケイデンスに有意な差を認めた。また、踵接地角および離床角においても有意な差を認めた。このことから、心不全患者と健康人の歩容には異なる点があることが示唆された。
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