研究課題/領域番号 |
20K17131
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
友利 裕二 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (30637848)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | N-cadherin / 血管透過性制御 / ゼブラフィッシュ / 蛍光イメージング / 脳血管関門(BBB) |
研究実績の概要 |
血管透過性は血管内皮細胞同士の接着によって制御されている。血管内皮細胞には、内皮特異的接着分子であるVascular endothelial-cadherinに加え、N-cadherinも発現している。これまで血管内皮細胞間接着の形成には、VE-cadherinが重要な働きをもつことが知られているが、血管透過性制御におけるN-cadherinの機能に関して不明な点が多く残されている。本研究では、正常時および炎症時の血管透過性制御、さらには脳血管関門(BBB) の構築・維持におけるN-cadherinの機能を明らかにするため、内皮細胞特異的n-cadherin欠損ゼブラフィッシュの樹立を試みた。ゼブラフィッシュの血管内皮細胞におけるn-cadherinをコンディショナルに欠損させるため、CRISPR/Cas9の技術を用いて、n-cadherin遺伝子の両端にloxPサイトの挿入を試みたが、正常にloxPサイトが挿入された個体を得ることができなかった。現在、挿入部位を変え、再度検討を行っている。 上記解析と並行して、血管内皮細胞間接着を増強し、血管透過性を抑える働きがある低分子量Gタンパク質Rap1の生体における役割についても解析を進めた。血管内皮細胞特異的Rap1欠損マウスを作製し、解析を行ったところ、重度の肺水腫により死亡することを発見し、Rap1は肺胞毛細血管の血管バリア機能に必須の分子であることが明らかになった。現在、Rap1が透過性を制御する分子メカニズムについて解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CRISPR/Cas9の技術を用いて、内皮細胞特異的にn-cadherinを破壊することができるコンディショナルゼブラフィッシュの開発を試みたが、期待通りにloxP遺伝子を挿入でなかった。現在、挿入部位を変え、再度検討を行っている。血管透過性制御における低分子量Gタンパク質Rap1の機能に関しては、肺のバリア機能における役割を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ゼブラフィッシュでn-cad遺伝子をコンディショナルに破壊または抑制できるシステムを、Crispr/cas9を用いて作成し、正常時および炎症時の血管透過性におけるn-cadの役割とその分子メカニズムの解明する。また、脳血管関門(BBB)の構築・維持におけるn-cadの役割とその分子メカニズムの解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
血管内皮特異的n-cadherinコンディショナルゼブラフィッシュの樹立が予定通り進まず次年度使用が生じた。今後は、同ゼブラフィッシュを樹立し、解析をするための試薬に使用する。
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