日本人の死因やADL低下の原因として重要な心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の予防として、高血圧や糖尿病、脂質代謝異常の治療・予防が挙げられる。近年、非アルコール性脂肪肝/脂肪肝炎(NAFLD)が動脈硬化症のリスクとなることが注目されている。本研究ではNAFLD関連遺伝子と動脈硬化および脂質代謝異常との相関について、日本人の前向き観察研究のデータを用いて解析を行った。NAFLD関連遺伝子の中で、NCANの変異は動脈硬化に保護的、TM6SF2とGCKRの変異は脂質代謝異常に対して保護的であることが示された。今後はNAFLD関連遺伝子変異が動脈硬化性疾患に対して与える影響の検討が必要である。
|