本研究は、右心不全に対する分子標的療法を創出することを目的とした研究である。なぜなら、右心不全に対する特効薬は存在しないためである。右心不全だけを改善する治療ターゲットを探すため、網羅的遺伝子発現解析を行うと、右心室で補体副経路が活性化していることが分かった。次に補体副経路を阻害する種々のマウスに対して肺動脈結紮モデルを作成したところ、右室機能が悪化せず、催不整脈性が抑制され、ここまでの研究業績は論文化された。この経路は何らかの免疫担当細胞が介在してる可能性を考え、C3aが機能修飾するTh17細胞から分泌されるIL-17, IL-22に着目し、現在ノックアウトマウスを用いた解析を進めている。
|