ARDSは肺胞の血管内皮細胞障害により血管透過性が亢進し、血液液体成分が肺胞内へ漏出・貯留する(非心原性肺水腫)ことで起こる予後不良かつ死亡率の高い疾患である。本来、血管透過性の亢進は炎症などに対する防御反応として免疫細胞や血漿成分の血管外移動に寄与するが、過剰な亢進は種々の疾患の病態と密接に関連している。本研究成果からROCK1/2コンディショナルノックアウトマウスの肺血管透過性が亢進することが明らかとなった。また、内皮細胞接着因子の発現量低下が認められた。このことからROCKが細胞接着因子の発現量を調節することで肺血管透過性を制御することが示唆された。
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