末期腎不全により、血液透析といった腎代替療法を要する患者は増加の一途をたどり、2020年末の日本透析学会の集計では慢性透析患者は33万6千人を超えている。透析療法の技術向上や、透析患者の死因となる心血管イベントの抑制としてCKD-MBD(Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder)という概念が確立され、透析導入後の生命予後が改善する一方で、透析導入を抑制、遅延する腎臓病の根本治療薬は依然としてない。今回、膜性腎症のマウスモデルを新規に確立した。病態を理解するための基盤構築を引き続き行い、病態の即した新規の治療法の開発を目指す。
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