末期腎不全における腹膜透析は臨床的に優れた治療法であるが、腹膜線維化による腹膜機能の低下のため長期継続は困難である。透析液中のブドウ糖への暴露によってストレス誘導性の腹膜中皮細胞の老化を引き起こすことが腹膜線維化の一因となっている。すなわち、腹膜中皮細胞の保護によって線維化を予防できれば、腹膜透析の長期継続が期待できる。 本研究では、細胞老化に関与するP16を治療標的とし、ヒストンのメチル化によるP16の転写活性が亢進することで、腹膜中皮細胞の老化が誘導されて腹膜線維化が進行すること、その阻害によって腹膜線維化を抑制されることを明らかにした。
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