IgA血管炎の成人発症例における腎予後は悪いが、その病態は明らかではない。IgA腎症の発症には糖鎖異常IgA1が関与していることがわかっており、今回はIgA血管炎における腎炎発症の予測因子の確立を目的とすることにした。紫斑を初発症状とするIgA血管炎患者計13人の患者のリクルートを行い、IgA腎症の病態と関連を示唆されている血清中バイオマーカー(IgA、IgA-IgG免疫複合体、糖鎖異常IgA1)及び尿中糖鎖異常-IgA1の測定をした。腎炎合併例と腎炎非合併例でこれらのバイオマーカーに優位差はなく、今回の研究ではIgA血管炎の腎炎発症を予測しうる有効なバイオマーカーとはいえない結果であった。
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