研究課題
若手研究
円形脱毛症において病態や治療反応性を予測できるシステムの構築を目標に、3D機能を備えた高性能のエコー技術を用いて病変部を観察した。結果、ヘアサイクルの異常や炎症の強さを反映する特徴的所見が確認され、それらの有無が、病期やその後の治療への反応性と関連することも示された。既存の診断技術では確認できない所見の有無を同技術であらかじめ確認することで、個々の患者の疾患の活動性の把握や治療反応性の予測が可能になると考えられた。
皮膚科
個々の脱毛症患者の病態や重症度、疾患の活動性を正確に評価するためには頭皮生検(頭皮から組織を採取し病理学的に評価する検査)が有用だが、痛みや傷跡という点で患者に負担を与える検査であり、限られた状況でのみ行われてきた。本研究では3D機能を備えた高性能の超音波技術を用いて円形脱毛症患者の頭皮を観察し、病態や治療反応性と関連した異常所見を同定することに成功した。同技術を円形脱毛症患者に用いることで、患者への負担は最小限に抑えつつ、病態に即した有効な治療法の提案・計画がしやすくなるものと考えられる。