本研究では未だ有効な治療方法が確立されていない急性期褥瘡(皮膚虚血再灌流障害)における転写因子SOX2に着目した新たな治療の開発を目的とした。 野生型マウスと皮膚表皮細胞特異的SOX2過剰発現マウスを用いた検討を行った。皮膚虚血虚血再灌流障害の後にSOX2の発現が上昇すること、また皮膚表皮細胞にSOX2を高発現させることで皮膚虚血再灌流後に生じる潰瘍形成が有意に縮小することを発見した。その機序として酸化ストレスや血管傷害、炎症性サイトカイン、炎症細胞浸潤を抑制することを見出した。今後は本研究を発展させるため、SOX2のターゲットを見出して臨床応用の礎となる研究を行う。
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