近年、我が国は超高齢化社会を迎え、高齢者の褥瘡が急増している。加齢に伴い創傷治癒の遅延が起きることは古くから良く知られており、この原因には、老化に伴う皮膚線維芽細胞の機能低下が潜在する。また高齢者は糖尿病や動脈硬化などの基礎疾患を有することが多く、微小循環障害などにより創傷部に酸化ストレスが蓄積しやすいために、さらに組織修復が阻害されるものと推測される。本研究では、抗酸化酵素ペルオキシレドキシン4(PRDX4)が高齢マウスの創傷治癒遅延を劇的に改善することを示し、その一機序を解明した。本研究は高齢者の難治性皮膚潰瘍に対する新規治療法の開発に繋がると考えられる。
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