研究課題
若手研究
特発性肺線維症 は予後不良な指定難病である。病巣部の樹状細胞を起点として炎症のカスケードが活性化し,慢性的な炎症に伴い線維化が進展する。マウスにブレオマイシンを静脈内投与し、肺線維症モデルを作成した。線維化を起こした肺病巣部からフローサイトメトリーによって樹状細胞を採取し、その遺伝子発現 (mRNA)とmicroRNA発現をRNAシークエンスで調べた。その分析から肺線維症の進展に重要であるCD80とCD86のmRNA発現を抑制するmicroRNAを2種同定できた。
3次元ゲノム構造、免疫療法
特発性肺線維症 は、指定難病である特発性間質性肺炎の一つで予後不良であり、樹状細胞などの免疫細胞が病態形成に重要な役割を果たすことが示されているが、画期的な治療法がないのが現状である。本研究では、マウス肺線維症モデルを用いて病巣部に存在する樹状細胞を採取して精査し、どのような遺伝子発現変化を起こしているか、あるいはそれを制御するmicroRNAについての詳細なデータが取得できた。その中の2種のmicroRNAは、今後、肺線維症の治療剤となる可能性がある。