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2020 年度 実施状況報告書

SLE特異的自己抗体の細胞表面エピトープの探索とシグナル伝達経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K17449
研究機関北里大学

研究代表者

松枝 佑  北里大学, 医学部, 助教 (00623208)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードSLE / 抗Sm抗体 / 抗RNP抗体 / M2マクロファージ
研究実績の概要

SLE疾患特異的自己抗体である抗Sm抗体の細胞のシグナル伝達を明らかにするために、初年度は、刺激により活性化した細胞を用いて膜タンパク成分を精製し、ウエスタンブロッティング(WB)法を用いて前述の自己抗体の細胞膜への結合を確認した。
PMA刺激により活性化したU937から膜タンパク成分と細胞質成分を分離し、マウスモノクローナル抗RNP抗体とマウスモノクローナル抗Sm抗体を用いたWBを行った。両抗体とも膜タンパク成分にバンドが出現し、細胞表面への結合が明らかになった。
ヒト末梢血単核球細胞(PBMC)を用いたフローサイトメトリー(FCM)では、従来はプラスチックアドヒージョンのみで刺激したPBMCでSLE疾患特異的自己抗体の結合を確認していた。今年度は、PBMCを単理後M-CSFで刺激し、さらにIL4の刺激を追加しM2マクロファージに分化させ、SLE疾患特異的自己抗体の結合を確認した。分化させたCD163/CD206陽性マクロファージの細胞表面に有意にSLE疾患特異的自己抗体が結合することが明らかになった。SLEの精神神経病変の発症機序の一因として、M1/M2マクロファージの拮抗バランスが関与している可能性が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

膜タンパク成分を用いたWB法によりSLE疾患特異的自己抗体の単球細胞表面確認は行うことができたが、エピトープを決定するための質量分析などを行うことができなかったため。

今後の研究の推進方策

今年度の研究により、単球系Cell Lineの細胞表面にマウスモノクローナル抗RNP抗体とマウスモノクローナル抗Sm抗体が結合することが明らかになった。今後はWB法により確認されたバンドを分離量別分離、タンパク構造解析行い自己抗体と同時に存在しているタンパクを同定することを予定している。また、ライブイメージングの手法を用いて細胞表面に結合した自己抗体がその後どのように細胞内に取り込まれていくのかを明らかにする。
PBMCを用いた実験では、M-CSF刺激後にLPSで刺激しCD80/CD86陽性M1マクロファージにも分化させFCMを行う。得られた結果をM2マクロファージの結合と比較し、どちらのマクロファージが精神神経病変の発症により強く関与しているかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

今年度予定していた、WB法により得られたバンドの分離量別分離、タンパク構造解析行い自己抗体と同時に存在しているタンパクを同定が次年度にずれ込んだため。

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公開日: 2021-12-27  

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