研究課題/領域番号 |
20K17454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 (2023) 東海大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
細野 祐司 岩手医科大学, 医学部, 特任准教授 (60868090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己抗体 / 炎症性筋疾患 / 悪性腫瘍 |
研究成果の概要 |
本研究では、炎症性筋疾患において申請者が見出した新規自己抗体である抗SP4抗体(Ann Rheum Dis.2023;82:246-252.)について、本邦における検討を行った。抗Sp4抗体は皮膚筋炎の12.5%に検出される一方、多発性筋炎ではわずか1%に留まった。また、抗SP4抗体陽性例は55%抗TIF-1γ抗体、36%抗MDA5抗体、18%で抗Mi-2抗体も陽性であった。さらに、抗TIF-1γ/SP4抗体共陽性では、抗TIF1-γ抗体単独陽性群と比較して悪性腫瘍の合併は認められず、高頻度に合併する悪性腫瘍の検出に大きく寄与すると考えられた。
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自由記述の分野 |
リウマチ膠原病
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性筋疾患(IIM)は筋組織のみならず皮膚、肺、関節など全身に炎症がおよぶ自己免疫疾患で、初発症状、臨床経過、病態など様々な形式をとるが、診断・治療開始にあたっては併存疾患のスクリーニングが重要である。中でも悪性腫瘍は治療方針の決定や患者予後に大きく関わることから、IIM診断時には特に入念な精査が求められる。患者血清中に高頻度で検出される自己抗体は早期段階での診断・病型分類、さらには治療反応・予後予測に基づく治療方針の早期決定が可能となるが、筆者らが発見した抗Sp4抗体の検出は悪性腫瘍のリスクを大きく下げることが示され、IIMにおける悪性腫瘍との病態及び臨床的意義の更なる探究が期待される。
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