細菌の分泌する膜小胞(MV)は宿主に様々な影響を及ぼす。本研究ではボツリヌス菌C. botulinumおよび近縁のC. sporogenes、共生細菌であるC. scindensからMVを単離し、哺乳類細胞への影響を解析した。これらクロストリジウム属由来MVはいずれも、MyD88/TRIF、TLR1/2/4、dynaminおよびPI3K依存的に自然免疫応答を誘導した。個々のMVに対する応答性は細胞株の種類によって大きく異なっており、菌種・菌株による強弱の傾向は見られなかった。また、MVの細胞内取り込みはアクチン重合阻害により抑制されたが、MVの取り込み阻害はサイトカイン誘導を抑制しなかった。
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