これまでに重症ARDS患者では全身性の炎症状態の悪化に特定の細菌属のバランスが寄与している可能性を報告した。本研究ではARDS患者検体から培養された細菌の中から、in vitroの系においてインフルエンザウイルス感染においてウイルス複製を増強または抑制する細菌種が同定された。それら活性は、100℃の熱処理を行うことで失活することが見られ、タンパクであることが考えられた。ウイルス複製の増強と抑制の効果を持つ細菌種はARDS患者における炎症の増悪、抑制と関係しており、そのタンパクの同定はインフルエンザ重症化及びARDS発症予防に貢献できる可能性がある。
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