研究課題/領域番号 |
20K17475
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
鴨志田 剛 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (40707410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Acinetobacter baumannii / 実験進化 / 人工呼吸器関連性肺炎 / コリスチン / LPS |
研究成果の概要 |
近年,無害もしくは低病原性であった微生物が,様々な環境ストレスに適応する過程で高病原化や薬剤耐性化により発症・難治化し問題となっている.Acinetobacter baumannii は環境適応能が非常に高く,薬剤耐性菌,院内感染の原因菌として猛威を振るっている.本研究では,A. baumannii の環境適応能力に着目し,固有の病原性を解明するべく,実験的進化法を用いて環境適応株を樹立した.人工呼吸器の気管挿管チューブに高度接着する形質を持つ菌株を実験的に樹立し,解析した結果,細菌の接着に重要な線毛の変化と宿主内での増殖/生存に重要なアミノ酸代謝能変化を明らかにした.
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自由記述の分野 |
感染症学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多剤耐性 Acinetobacter baumannii はWHO・CDC・AMED が作成した Priority Pathogen List でも,新規抗菌薬が早急に必要な病原細菌として最も高い優先順位に定められており,早急な感染制御が求められている.A. baumannii は院内施設や医療機器等に定着し,制御困難な薬剤耐性菌が院内で蔓延,易感染性患者に感染した場合は高い致死率を示す.本研究により,医療機器に定着/増殖した菌を感染源とする人工呼吸器関連性肺炎の発症メカニズムと高病原化に寄与する菌の進化に関する新たな知見を提示できた.本成果は,本菌の新規治療/制御法の開発に繋がる.
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