メトホルミン非服用者でも、ヒトで『腸管内腔へのグルコース排泄』という、従来認識されていなかった『糖の流れ』が存在し、メトホルミンはその効果を3倍に高めることが明らかになった。消化管内に存在する腸内細菌叢が産生する短鎖脂肪酸などを介して、ヒトの健康状態を左右することが知られている。メトホルミンの腸内細菌叢に与える影響についてグルコース排泄が関わっていると仮定し、今後検証していく予定である。一方、メトホルミンの服用とは無関係に消化管が栄養素の吸収のみならず、腸管壁からブドウ糖を排泄するという機能を有することが明らかとなった意義は大きく、今後、その生理学的、病理学的意味の解明に取り組みう予定である。
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