研究課題
若手研究
本研究は、ベータ細胞におけるプリン受容体シグナルがインスリン分泌に与える影響に着目し、メカニズムの解明を目指したものである。膵ランゲルハンス島のトランスクリプトーム解析からは意外にも炎症関連の関与が示唆された。VNUTを欠損したマウスのマクロファージは微量のLPSに対する炎症性サイトカインの産生が低下していた。通常の状態でも門脈血は腸管に由来する菌体成分が検出されることを考慮すると、マウスの表現型の一部は炎症細胞のプリンシグナルの変化に依存する可能性が示唆された。
内分泌・代謝
メタボリックシンドローム関連疾患である2型糖尿病や非アルコール性脂肪肝疾患は世界的に増加傾向であり、これらの根本にある疾患メカニズムの理解と治療法の改善は急務である。本研究成果は細胞から分泌されるヌクレオチドと、その受容体であるプリン受容体を介した炎症細胞の機能修飾が存在することを示唆しており、これらの生理・病態生理におけるアプローチがメタボリックシンドロームの改善の手掛かりとなりうる可能性を示唆している。