これまでに研究代表者らは、神経芽腫においてTFAP2E低発現の患者は予後が悪く、TFAP2Eの発現抑制は抗がん剤耐性を増強させることを報告したが、本研究ではさらに、グルコース欠乏耐性も増強させることがわかり、その機序として神経芽腫細胞が低ATPに対する耐性を獲得している可能性が考えられた。また、TFAP2Eの標的遺伝子の候補としてSUSD2を同定し、SUSD2高発現の神経芽腫患者は予後が悪いことがわかった。SUSD2は他癌腫において抗がん剤耐性に寄与することが報告されていることから、神経芽腫においてTFAP2EがSUSD2を介して抗がん剤耐性を示し、予後の増悪に関与している可能性が考えられた。
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