がんペプチドワクチン療法の方向性としては、免疫チェックポイント阻害剤との併用を視野に入れて、負の免疫応答の制御が必要になると考えられる。我々は、肝細胞癌(HCC)患者に周術期ワクチン療法を行い、切除標本の病理学的、免疫学的特徴について解析を行った。結果として、本ワクチン療法は、腫瘍抗原特異的T細胞(CTL)を腫瘍内に誘導し、免疫原性の低いcold HCCの一部をHotに変換する可能性がある。CD8+細胞上のチェックポイント分子(PD-1、TIGIT)の高発現を認めたことから、免疫チェックポイント阻害剤の併用は、相乗的に作用し高い抗腫瘍効果をもたらす可能性が示唆された。
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