大腸癌肝転移組織から抽出したDNAを用いて口腔内常在菌であるFusobacterium nucleatum (F. nucleatum)の存在解析を行い、腫瘍免疫との関連を評価した。 約4.5%にF. nucleatumが認められ、F. nucleatum陽性症例は腫瘍免疫を主に担当する細胞傷害性T細胞数が有意に少なく、その抑制に関与する骨髄由来抑制細胞が多く認められることを明らかにした。また細胞傷害性T細胞数が少ない症例は有意に肝切除後の無再発生存率が不良であり、F. nucleatum が大腸癌肝転移巣において腫瘍免疫を抑制し予後不良に寄与していることが示唆された。
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