研究課題
若手研究
線維化を伴う障害肝においては、元来M2 macrophageが肝内に多く存在し更なる肝障害時に特異的な反応を呈した。具体的には肝阻血再灌流障害48時間後の肝再生開始時に炎症性サイトカイン発現が低く急性炎症の遷延が軽減されるとともに、96時間後のmacrophageとhepatic stellate cellの集積が亢進し壊死領域の貪食が進み、さらに血管新生とductular reactionの亢進も加わり肝障害後の肝修復が促進されたことが示された。
肝再生
障害肝における急性肝障害に対する肝再生・肝修復機構は未だ明らかとされていなかったが、本研究ではその肝修復の概要とメカニズムを炎症細胞浸潤やcytokine/chemokine発現などの観点からin vivoで解明したことに学術的意義がある。社会的意義として、これらの成果は臨床的に慢性肝炎・肝硬変例における手術や外傷に伴う肝障害後の肝再生機構に応用できる可能性がある。