近年注目の免疫療法も予後不良な膵がんにおいてはその効果は限定的である.がんウイルス療法は,がん免疫療法との相性がよいと報告されている.我々が開発したp53発現腫瘍融解アデノウイルス製剤(OBP-702)を使用し,膵がんにおける治療効果と免疫学的効果をGemcitabine+nab-Paclitaxel療法との比較,併用療法で検証した.OBP-702は既存療法より強くCD8+T細胞を誘導した.またマウスを用いた遠隔転移モデルでアブスコパル効果を認め,術前治療モデルでは再投与腫瘍の増大抑制効果を認めた.この2つの治療効果はCD8を介した免疫学的治療効果の上乗せがあることを証明した.
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