我々独自のcancer stem-like sphere cell (CSLC) 誘導培地を用いて、胃がん細胞株からCSLCを誘導し、がん幹細胞マーカー発現、腹膜播種、抗がん剤耐性、遺伝子発現プロファイルについて検討を行った。ヒト胃がん細胞株MKN45よりがん幹細胞マーカーCD44v発現が上昇したCSLCが誘導され、このCSLCはマウスにおける腹膜播種頻度及び抗がん剤 (5-フルオロウラシル、イリノテカン) 耐性の増加を示した。さらに、既報の肝がんCSLCと同様に上皮間葉系移行や低酸素に関わる遺伝子セットのenrichや、自然免疫系からの逃避に関わるHLAやMICA/Bの発現上昇が示された。
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