本研究では、食道扁平上皮癌(ESCC)において放射線照射が腫瘍随伴マクロファージ(TAM)のM2分極を促進する可能性を見出した。術前補助化学放射線療法前後のESCC組織におけるTAMマーカーCD163の陽性細胞数を解析したところ、治療によりCD163陽性細胞数が増加することが明らかとなった。また、ヒト末梢血単球から樹立したTAM様細胞に放射線照射を行うと、CD163および免疫チェックポイント関連分子(PD-L1、PD-L2)の発現レベルの増加が見られた。さらに、TAMだけでなくESCC細胞に放射線照射を行うとTAMのM2分極に関与するIL-34の産生誘導が見られた。
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