研究課題/領域番号 |
20K17709
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
乾 友彦 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70816503)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Apple Watch / Smart Watch / Machine Learning / Atrial fibrillation / Wearable Devices / Cardiac Surgery |
研究実績の概要 |
本研究はApple watchなどのスマートウォッチに搭載されたPPG技術を使用して計測された脈拍データに対し、機械学習を適用することで、発作性心房細動発生(pAF)を高精度に即座に検出、診断するアルゴリズムを開発することを目的としている。複数のパラメータに基づく予測において、従来の統計的方法では多重共線性や過学習などの問題が発生し、予測精度が低下することが知られているため機械学習手法を用いることで、多数のパラメータから高精度な予測を行う。これまで心臓手術症例80例のデータを取得した。データを機械学習モデルに適応できるパラメーターに変換して千葉大学医学研究院附属治療学人工知能研究センターの協力の下でデータ解析を実施した。発作性心房細動の診断アルゴリズムを開発し、Diagnosis of Atrial Fibrillation Using Machine Learning With Wearable Devices After Cardiac Surgery: Algorithm Development Studyで発表した。感度 0.909 および特異度 0.838という診断精度となった。2023年においてはテストデータからのさらなる学習によるアルゴリズムの改良を実施。pAF診断を実施するにあたり Workout modeでのデータ測定は電池消費や機械の発熱の問題があるためstanby modeでのpAF診断の検証を実施したが、時間あたりの取得データ数が少なく機械学習には適さないことが判明した。Work out modeでの診断アルゴリズムのアプリケーションを作成を試みているが、iphoneさらにはApple watch上でPythonのスクリプトを実装するには問題が多く、現時点では即時診断は難しいと考えられた。取得データをクラウド上で解析して結果を返す方法を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
診断アルゴリズムのアプリケーションを作成を試みているが、iphone上や、さらにはApple watch上でPythonのスクリプトを実装するには問題が多く難渋している。そこでまずはパソコン上で簡便に診断アルゴリズムを実装するためのアプリの開発を試みているが、Apple Watchから取得したデータを解析用データに変換するアプリケーションがさらに必要な状態となっており、作成に時間を要している。アプリケーションが作成が遅れていることから実用試験実施も遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
外注によるアプリ作成だけでなく、費用面においても大学内の工学部の協力を得て作業を進めることで効率化を図る。apple watch上でPythonのスクリプトを実装する対策も人工知能医学教室と協力して検討する。apple watch上のアプリケーションはデータ送信用に限定し、リモートで解析を実施し結果を返すような仕組みも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
心房細動診断アルゴリズムの実装アプリケーションの作成にあたり、様々な課題があり方針が決定できていない状況であった。使用計画に関してはアプリケーションを作成するための実費とさらにデータ実装のための追加データ取得のための新型デバイスの取得等に使用予定。
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