近年、癌研究において各臓器癌由来のオルガノイドが樹立され、細胞株や遺伝子改変マウスに代わる新しい癌モデルとして用いられてきている。本研究において、肺癌の組織型とドライバー変異の違いに着目し、オルガノイド培養法の最適化を行った。肺癌オルガノイドの樹立過程で、正常肺由来オルガノイドがより早く増殖し、癌細胞に置き換わる現象が報告されており、樹立を阻む原因の一つと考えられている。肺癌各組織型に対する培養条件を検討することで、MDM2阻害剤フリーの培養液での樹立ができており、理論的にp53野生型肺癌からのオルガノイド樹立が現在可能となっている。
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