研究課題
若手研究
近年の免疫チェックポイント阻害(ICB)療法の成功により、腫瘍免疫の賦活化で、肺がんを治療できることが示された。しかし、不応答症例の方がむしろ多いこと、耐性獲得がんの出現、など、依然大きな問題がある。本研究では、腫瘍の代謝に干渉することによって上記問題を解決できないか?という観点から検討を行った。その結果、腫瘍細胞に特徴的なブドウ糖代謝(ワールブルグ効果)が自身への免疫寛容をもたらすこと、そのメカニズムとしてブドウ糖代謝と免疫シグナル伝達制御との間のクロストークが関わることが強く示唆された。
呼吸器外科学
肺がん治療においても免疫チェックポイント阻害治療(ICB)が一般化し、さらにICBと多剤の併用治療が続々とファーストライン化すると見込まれる現況において、ICBへの不応答例を予測したり、減らす手法の開発は極めて重要である。今後、本研究の成果をさらに発展させ、新たなICB併用治療としての有用性を検証する意義は高い。本研究は、そのような目標に向けて、その基礎をなるデータを収集することができた。メカニズムについては、より詳細な解析が必要と思われる。