本研究の成果は、糖化最終産物(AGEs)が、マクロファージのエンドサイトーシス抑制と、その下流経路にあたるマクロファージのサイトカイン分泌抑制を明らかにした。糖化最終産物は免疫系の中で中心的役割を担うマクロファージの機能を抑制する。本研究によって、糖尿病の免疫低下における新たなメカニズムを明らかにしたことは、in vitro 研究でまだ臨床応用にはほど遠いが、今後の糖尿病管理および糖尿病合併症管理において、新たな治療ターゲットを提供する可能性がある。糖尿病は日本でも有病率が高く、また脳血管疾患や血液透析の最も強い誘因となりうるので、もし将来的に臨床応用がかなった場合には、その波及効果は大きい。
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