インスリン療法が糖尿病患者での好中球機能を改善させるメカニズムにPI3K-Akt経路が関与するかを調べた。マウス好中球では群間でリン酸化Aktの発現に変化を認めず、また、結果に一貫性を認めなかった。好中球様細胞に分化するHL60細胞を用いて貪食実験を行い、Aktの発現を調べた。貪食実験ではPI3K阻害薬で処理すると、分化HL60細胞の貪食率は低下した。高グルコース培地で培養した分化HL60細胞はLPSやLPS+インスリン刺激を行うことで、Aktの発現が増加した。以上から、In vitroで分化HL60細胞のAktの発現が増加すると、分化HL60細胞の貪食能が増加する可能性が示唆された。
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