研究課題
高酸素濃度条件下での肺組織の構造を明らかにするために10週齢のC57BL雄マウスを、それぞれ100%酸素および室内気に72時間暴露した。病変の進行を追跡するため、100%酸素投与後6、12、24、48、72時間目にマウスをSacrificeした。これらのマウスから得られた肺標本は、形態学的解析と免疫蛍光検査を行った。走査型および透過型電子顕微鏡を使用して、内皮グリコカリックスを含む肺毛細血管の超微細構造を確認した。内皮グリコカリックスは硝酸ランタン染色を用いて可視化した。100%酸素投与群の生存率は5%(2/40)、対照群の生存率は100%であった。100%酸素投与12時間後に血管周囲腔の拡大が検出され,時間の経過とともに拡大した。電子顕微鏡による超微細構造解析では,100%酸素投与群で肺胞および肺毛細血管壁の崩壊と肺胞壁の肥厚が認められた.肺毛細血管内皮の糖鎖は100%酸素投与群で損傷していた。100%酸素投与48時間後に室温に戻したマウスでは、血管周囲腔が減少していた。また、血管内皮グリコカリックスは100%酸素投与群においてその構造の著明な崩壊が見られた。高濃度酸素は血管周囲腔の拡大を引き起こすが、これは高濃度酸素障害の特殊性であると考えられる。また、高濃度酸素は肺内皮グリコカリックス傷害に関与している可能性があることがわかった。
1: 当初の計画以上に進展している
計画通りに進行している
血管内皮特異的グリコカリックス障害マウスを用いた検討を行う。
消耗品費用が予想より少なかったため。
すべて 2022 2021 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (19件) 備考 (1件)
Scientific Reports
巻: 11 ページ: 8864
10.1038/s41598-021-88303-7
The American Journal of Pathology
巻: 191 ページ: 1526~1536
10.1016/j.ajpath.2021.05.015
巻: 11 ページ: 18458
10.1038/s41598-021-97954-5
PLOS ONE
巻: 16 ページ: e0260350
10.1371/journal.pone.0260350
Frontiers in Medicine
巻: 8 ページ: 791309
10.3389/fmed.2021.791309
https://medical.jiji.com/topics/2149