研究課題/領域番号 |
20K17857
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北川 雄一郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60863628)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高濃度酸素 / グリコカリックス / 微小循環 / 肺障害 / 血管内皮グリコカリックス / 血管内皮障害 / 肺胞障害 / 肺線維化 |
研究開始時の研究の概要 |
高濃度酸素の持続投与は肺胞の不可逆性変化を生じることが知られている。肺胞マクロファージは肺胞に侵入した微生物や粒子から肺を保護する役割を担っている一方で、炎症下では糖結合タンパクであるGalectin-3により活性化され筋線維芽細胞を介して線維化を促すと考えられているが、このGalectin-3の発現について不明な点が多い。また、申請者は高濃度酸素投与により血管内皮表面を覆う糖タンパク質である血管内皮グリコカリックスが傷害され、血管外に漏出することを超微形態学的に確認しており、このグリコカリックスがGalectin-3の発現を通して肺の線維化を誘発していると考え、このメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は高酸素濃度条件下での肺組織の構造を明らかにすることである。10週齢の雄マウスを100%酸素および室内空気に72時間曝露した。これらのマウスから得られた肺標本を形態学的ならびに免疫組織化学的に解析した。電子顕微鏡を用いて肺毛細血管の超微細構造を明らかにした。血管周囲腔の拡大は、100%酸素投与12時間後に検出され、時間の経過とともに拡大した。電子顕微鏡を用いた超微細構造解析では、100%酸素投与群で肺胞と肺毛細血管壁の崩壊と肺胞壁の肥厚が認められた。また、100%酸素投与群では肺毛細血管内皮グリコカリックスが傷害されていた。 高濃度酸素は肺内皮グリコカリックス傷害に関与している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸素療法は最も効果的な医療介入の一つであるが、高濃度酸素供給は内皮グリコカリックスの劣化を介した微小循環障害を引き起こす。逆に、内皮グリコカリックスの保護は、高濃度酸素供給による肺の傷害を軽減する可能性があり、今後の発展が期待される。
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