本研究の目的は高酸素濃度条件下での肺組織の構造を明らかにすることである。10週齢の雄マウスを100%酸素および室内空気に72時間曝露した。これらのマウスから得られた肺標本を形態学的ならびに免疫組織化学的に解析した。電子顕微鏡を用いて肺毛細血管の超微細構造を明らかにした。血管周囲腔の拡大は、100%酸素投与12時間後に検出され、時間の経過とともに拡大した。電子顕微鏡を用いた超微細構造解析では、100%酸素投与群で肺胞と肺毛細血管壁の崩壊と肺胞壁の肥厚が認められた。また、100%酸素投与群では肺毛細血管内皮グリコカリックスが傷害されていた。 高濃度酸素は肺内皮グリコカリックス傷害に関与している。
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