研究課題/領域番号 |
20K18027
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
藤巻 太郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (70836155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 骨格筋 / テリパラチド / OVX / NADH / 筋肉脂肪変性 / Wntシグナル |
研究成果の概要 |
閉経後骨粗鬆症モデルである卵巣摘出マウスに骨粗鬆症薬であるテリパラチド(PTH)を20週間投与した。投与後運動能力を測定し骨格筋も採取し筋肉の変化を評価した。また、筋芽細胞にPTH投与することでの細胞の増殖、遊走、分化、脂肪化を評価した。 PTH投与により筋力低下は改善し、運動による乳酸値上昇が抑制された。また卵巣摘出マウスで起こる骨格筋の線維変化が改善し、筋内の脂肪滴の増加を抑制された。筋芽細胞においてPTHは増殖、遊走、分化を促進させ、脂肪滴分泌を減少させた。 PTHは骨だけでなく、筋肉の機能を調節する因子である可能性があり、筋萎縮、機能障害の治療のための有望で新しい戦略の可能性がある。
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自由記述の分野 |
整形外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会により筋量・骨量の低下が誘因となる転倒や骨折の頻度は増加し、これにより引き起こされる健康寿命低下の予防が社会的喫緊の課題である。これまで骨粗鬆症薬であるテリパラチドの骨格筋に対する役割に着目した研究はほとんどない。今回、我々はテリパラチドが閉経後骨粗鬆症マウスモデルの運動能力の低下を改善させ、骨格筋線維の変化や筋内脂肪滴増加を抑制させることを確認し、テリパラチドの骨格筋に対する調整因子になりうる可能性について示した。このメカニズムが解明されることで筋力低下・身体機能低下の予防の一助となり、将来的には、効果的なリハビリも可能となり健康寿命延伸につながる可能性があると考える。
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