組織の線維化は臓器不全に共通の病態である。特に2型糖尿病患者では心臓、肝臓、腎臓など重要臓器の線維化が促進されることが知られており重篤な症状を呈する。従って、2型糖尿病患者の線維化の機序を解明することは、臓器不全の進展予防や治療法の開発に繋がる。一方、線維化とインスリン受容体基質 (IRS)の関連が肺線維症や腎線維症など線維化が主な病態である疾患において指摘されている。本研究では、2型糖尿病モデルマウスの膝関節包線維化にIRSを介したシグナルが関与している可能性があることを明らかにした。今後、IRSに着目することで2型糖尿病患者の組織線維化を抑制する治療法の開発に繋がる可能性がある。
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