肥満は変形性関節症(OA)のリスクファクターであることが知られているが、その原因は十分に明らかになっていない。本研究では肥満細胞およびその産生因子に着目し、検討を行った。肥満OA患者の滑膜組織を解析した結果、トリプターゼ、IL-13、bFGFの亢進が認められた。トリプターゼは滑膜線維芽細胞、マクロファージにおける炎症性サイトカインの発現を増加させた。また、IL-13は滑膜線維芽細胞におけるbFGFの発現を増加させた。本研究結果から、滑膜組織への肥満細胞の動員と、肥満細胞による炎症惹起が肥満OA患者の病態に関与している可能性が示唆された。
|