研究課題
若手研究
変形性膝関節症(膝OA)はきわめて罹患率の高い疾患であり、力学的負荷が誘因となり緩徐に進行する変性疾患と考えられている。OA関節軟骨破壊の発症・進展において関節軟骨中ヒアルロン酸(HA)-アグリカンネットワーク分解と関節液中ヒアルロン酸分解が重要な役割を果たしていると推定されているが、その詳細な分子メカニズムは不明であった。本研究では、近年発見された新規ヒアルロン酸分解酵素(HYBIDとTMEM2)とアグリカン分解酵素(ADAMTS)がOA関節軟骨破壊に必須な役割を担うことを明らかにした。
変形性膝関節症
本研究では、膝OA滑膜組織や関節軟骨組織で過剰産生されたHYBIDとADAMTS4が、関節軟骨中HA-アグリカンネットワークや関節液中HA分解に寄与し、OA関節軟骨破壊に必須であることを証明した。これらの研究成果は、HYBIDの活性阻害剤開発や、アグリカン分解酵素のADAMTS4に対するヒト型抗体の臨床応用により、OA進展抑制に繋がる可能性を示唆しており、膝OAに対する新規治療法開発に繋がることが期待される。