超高齢化社会の日本において、運動器の慢性変性疾患を扱う整形外科医にとって、日常診療の中で骨粗鬆症ならびに変性疾患に伴う慢性疼痛患者といかに向き合うかというのは大きなテーマの一つである。近年、骨粗鬆症ならびに変性疾患の病態として持続性慢性炎症説があり、注目を集めているが、これらの慢性炎症性物質と慢性疼痛のメカニズムの関与については不明な点が多い。今研究では加齢に伴い増加する慢性疼痛の機序が、①大脳辺縁系領域での神経可塑性変化にて来たすこと、また②神経ペプチドを中心とする下行疼痛抑制系の低下にて来たす可能性があることを報告した。
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