画像診断技術の進歩によって腎癌の発見頻度は増加してきているが、早期診断マーカーがないため、約30%は進行性・転移性である。また再発マーカーもなく、再発して画像で見えるまでは診断法がないことから、低侵襲な腎癌診断マーカーの実用化が求められている。本研究では、N-結合型糖鎖を網羅的に解析可能なキャピラリー電気泳動装置(GlyQ)による糖鎖解析を用いて腎癌の新規診断マーカーの開発を行った。機械学習を用いた解析により、高精度に腎癌を判別できることが示唆された。しかし腎癌の予後予測には限界があることも示された。以上より、糖鎖性腎癌バイオマーカーは腎癌の診断には有効である可能性が示唆された。
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