筋層非浸潤癌の術後の再発進展予防としてBCG膀胱内注入療法は標準治療として用られている。再発癌率を大きく低下させる非常に有効な治療だが、BCG生菌の投与が必要であるため重篤な感染症を発症するリスクなどが存在し、感染性のない非生菌製剤の開発が嘱望されている。我々はBCG含む抗酸菌類に特異的な壁成分であり、強力な免疫活性を持つtrehalose-6 6’-dimycolate(TDM)に着目し、これを親水性リポソーム化し製剤化した。このTDMリポソームは膀胱内発癌モデルマウスに対して腹腔内投与を行うことで、有意に膀胱内発癌を抑制を抑制することが明らかになった。
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