前立腺癌細胞株において、他癌腫で認めるようなTp53変異の有無によるHDAC阻害剤(vorinostat, entinostat)の感受性の違いは認めなかった。前立腺癌マウスモデルにおいては、HDAC阻害剤は抗腫瘍効果を示し、腫瘍関連マクロファージや制御性T細胞、骨髄由来抑制細胞の各関連遺伝子の発現低下を認めた一方で、抗腫瘍作用を有するCD8陽性T細胞関連遺伝子の発現は低下していた。抗PD-1抗体およびHDAC阻害剤の併用投与群は、抗PD-1抗体単独投与群に比し、腫瘍組織におけるCD8細胞陽性細胞数や制御性T細胞数に差を認めなかった。
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