これまでに我々は腎移植後急性細胞性拒絶反応における補体制御因子の低下が移植腎予後に関連することを報告してきた。その原因として、本研究では炎症性サイトカインであるIL-6が関与し、補体制御因子の発現が低下することが示された。また一部では、IL-6以外にIL-2やIL-4といった炎症性サイトカインも関与することが示された。現在、様々な拒絶反応治療薬が開発されているが、いまだ満足のいく治療効果ではなく、新規の治療薬が期待される分野であるが、炎症性サイトカインを制御する薬剤は他疾患において、すでに臨床応用されているものがあり、拒絶反応分野においても応用可能となる光明を見出した研究であると考えられた。
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