研究課題
若手研究
腎移植では長期にわたる免疫抑制剤の内服が必要となるが、これにより腎機能や筋量などへ悪影響がでる可能性があり、これを腸内細菌叢と関連して解析した。カルシニューリン阻害剤では上皮間葉転換という機序を介して腎機能障害を生じる可能性が示唆された。また、プレドニンやカルシニューリン阻害剤で筋量の著名な低下が確認された。そして、各種免疫抑制剤内服で特徴的な腸内細菌叢が構成されることが確認され、腎機能と筋量などとの関連について検討中である。
腎移植
免疫抑制剤の改良により腎移植の短期成績は大きく向上した。今後の課題として長期の成績向上があげられるが、今回の検討から免疫抑制剤の長期内服により腎機能障害や筋障害が生じることが再確認できた。腸内細菌叢は免疫機構や薬物の吸収・代謝に大きく関与していることが指摘されており、今回の調査で判明した特徴的な腸内細菌叢の構築と腎機能障害や筋障害の関連が示せれば、今までにない新たなアプローチ(腸内環境を整える治療)で腎移植の長期成績向上に貢献できる。