SORL1の発現の有無による膀胱癌細胞の挙動に関して研究した。SORLを発現していない膀胱癌細胞では遊走能・浸潤能が上昇しており、Cdc42シグナルおよび膜型MMPシグナルが上昇しており、がん浸潤突起 (invadopodia)を形成していることが観察された。また、SORL1-Cdc42シグナルをCdc42阻害剤で阻害すると遊走能・浸潤能が低下し、invadopodiaの形成が抑制された。SORL1を発現しない膀胱癌細胞ではCdc42-N-WASP-Apr2/3シグナルを標的として阻害することで、invadopodia形成抑制が起こり遊走能・浸潤能が低下して治療効果が現れると考えられた。
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