概日リズムは一日単位のリズムであり、視床下部の中枢時計と各臓器内の末梢時計が同期して形成され、基本的な生体活動を維持している。一方で女性は月経周期という月単位の生殖リズムを有しており、子宮や卵管の収縮リズムはこれに連動して変化する。子宮収縮は月経や分娩に必須の運動であり、その異常は月経困難症、子宮内膜症、着床障害さらに早産などに関与すると推察される。マウス子宮の概日リズムと子宮収縮運動の関連性に関して研究を進めていく中で、子宮の概日リズムが摂餌行動に制御されていることが明らかとなった。これは現代人の乱れた食生活が、中枢時計と末梢時計の脱同調のために様々な婦人科疾患の原因となる可能性を示唆する。
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