卵巣癌におけるPD-L1を標的とした抗体療法の研究は複数報告されているが、AAV-CRISPR/Cas9を用いた卵巣癌の標的遺伝子に対する治療モデルの報告はない。本研究ではAAV-CRISPR/Cas9を用いることで,マウスに直接接種し、腫瘍のPD-L1遺伝子を改変することが可能となった。マウス卵巣癌腹膜播種モデルにおいて、PD-L1-AAV粒子を直接投与することで、腫瘍免疫応答を誘導し、重篤な有害事象を引き起こすことなく、腫瘍抑制効果を示すことが実証された。本研究成果はAAV-CRISPR/Cas9を介したPD-L1を標的とした新規免疫遺伝子治療が、臨床試験に向けての基盤研究となると考える。
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