hiPS細胞より分化誘導した細胞は、分化5日目には血管形成能を有する血管内皮前駆細胞(hiPS-EPC)に分化していると考えられた。流産モデルマウスへの尾静脈投与では、細胞が胚付近の血管内に一時的に局在し、血管新生促進因子を産生することによってマウス胎盤におけるVEGF・PlGF発現の改善に関与し、血管新生を促し流産率を改善させる可能性が高い。また妊娠7.5日目のマウス胚の大きさ、数に有意差はなく、妊娠10.5日目にはPBS群で有意に異常胚が増加したことから、hiPS-EPCによる効果は投与直後ではなく、胎盤形成初期にかけて発揮され、以降の胎盤成熟および胎児発育に関与すると考えられる。
|