研究課題/領域番号 |
20K18216
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小幡 武司 金沢大学, 附属病院, 助教 (70748615)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子宮体癌 / BLM |
研究実績の概要 |
本研究は、BLM発現異常が子宮体部類内膜癌の先行的な発癌誘導因子であることを作業仮設として掲げ、①臨床検体を用いた検証、②細胞株を用いた検証、③遺伝子改変マウスを用いた検討を行うことで、子宮体部類内膜癌の発癌リスクの新しい評価法を確立することを目的としている。 臨床検体を用いた検証では、良性疾患で摘出した正常子宮内膜症例が100症例(非閉経期:60例、閉経期:40例)、前癌病変である子宮内膜増殖症が15例、子宮体部類内膜癌が109症例を対象としてBLM蛋白の免疫組織学的発現を解析した。BLMのN末端およびC末端を免疫原として作成された抗体を用いて検討を行ったところ、N末端の抗体を用いた実験では正常内膜、内膜増殖症、癌全てにおいて腺上皮の核に強く発現が観察されたのに対し、C末端の抗体を用いた実験では非閉経期の正常内膜では基底層において上皮細胞の核に強い発現が観察されたが、閉経期の約半数の正常内膜症例で発現が減弱していた。また、内膜増殖症、癌では顕著にBLM蛋白の発現が低下・消失していた。western blot解析でも2種類の抗体を用いて解析したが、N末端の抗体を用いた実験で正常内膜および癌において予測される分子量のバンドを確認できたが、C末端の抗体を用いた実験で、癌におけるBLM蛋白の発現低下が確認された。RT-PCRも行ったが、癌においてRNAの発現が保たれていたことから、RNAから蛋白への翻訳後に何らかの変化が起きたものと推察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床検体を用いた解析は概ね終了し、予測された結果が認められており、ほぼ計画通り進行しているが、細胞株を用いた解析、遺伝子改変マウスを用いた検証が未実施であるため。
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今後の研究の推進方策 |
細胞株を用いた実験および遺伝子改変マウスを用いた検証を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存の実験器具と試料を用いて実験することが部分的に可能であったため。
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